祖母がこの世を去りました。94歳でした。2008年に享年93歳で亡くなった父方の祖父と同じく、天寿を全うしました。
沖縄の南大東島出身の祖母は、東京に出て戦争を経験し、その後、結婚するも夫(祖父)に先立たれ、4人の子どもを女手1つで全員大学まで通わせるという超人的な精神力とバイタリティの持ち主でした。と書くと、割烹着が似合う肝っ玉母さんをイメージしがちですが、大胆でお洒落で、お化粧や恋やお酒を楽しみ、おばあちゃんと呼ばれるのを嫌がり、女性としても輝き続けた人でした。
子どもの頃から夏休みやお正月など特別なイベントにはいつも祖母がいました。実家で飼っていた猫に踵を爪研ぎにされて叫んでいた祖母の姿が思い出されます。アメリカ、中国、フィリピン、オーストラリア、バリ島、ハワイ、韓国と、海外もたくさん一緒に旅しました。行く先々の食文化を拘りなく堪能し、酔っ払っては沖縄踊りカチャーシーで、あっという間に周りと仲良くなっていました。物凄い苦労をしてきたけれど、苦労については語りたがらず、それが顔に出ることを嫌がる人でした。そんな芯の強さも今を謳歌する姿も、あんな風に年を取りたいと思える人生の道標でした。
あーちゃん、今までたくさんの愛情をどうもありがとう。「アンタ、しっかりしなさいよ」ってきっと言っているね。- はい!あーちゃんの生き様を見習って、強く生きていくので、これからも迷うことがあったら心の相談に乗ってね。94年間、本当にお疲れ様でした。