1世紀

祖母が亡くなりました。100歳と1ヶ月でした。老衰で最後は眠るように呼吸が弱くなっていったとのことで、正に天寿を全うしました。

女性にはまだ選挙権が無かった大正に生まれ、戦争から這い上がった昭和に結婚し育児に奮闘、孫が生まれ、バブル経済が崩壊した平成に夫に先立たれ、多様性が重んじられる令和に旅立ちました。そんな天と地がひっくり返るような変動を、柳のような柔軟性を持ちながらも、信念を持って常に凛とした生き方で過ごしてきた祖母でした。

100年も生きてくれたことには感謝と尊敬しかありませんが、見送る寂しさは年齢問わず、やはりあります。引戸の玄関、掘りごたつ、食器棚のおやつ、蝿帳、振り子時計、家族写真、仏壇といった懐かしい家屋を含め、子どもの頃から当たり前だった、遠方の祖父母という存在が遂に無くなってしまいました。これまでの存在に改めて感謝するとともに、この先は祖母の教えを尚更大事にしていこうと思います。

長い間、自分のことよりも家族を優先して見守ってくれてどうもありがとう。今頃はおじいちゃんとの再会を楽しんでいますように。